デアゴスティーニの全号セットを組み立てました。その感想を中心に紹介します。
今回組み立てたのは「スカライン2000GT-R【全100号】キット」。1/8 スケール、全長 約56cm の スカイライン2000GT-R KPGC110 が組み上がるキットです!
モデル仕様は以下の通りです。
1/8スケール
全長:約56cm、全幅:約21cm、全高:約17cm
重量:約5kg
主な素材:ダイキャスト合金(ボディ、エンジンなど)、ABS樹脂(インテリアやエンジン部品の一部など)
中国製
一般的な車のプラモデルの場合には 1/24 スケールが多く、スカイライン2000GT-R KPGC110 の場合には 長さ18.5cm程度です。1/24に対してデアゴスティーニのモデルは 1/8 となり長さが約3倍の差になります!
▼ 写真の通りビッグで重量のあるモデルが組みあがりました!その重さ 6 kg!!
6kgと言えば、2リットルのペットボトルのお水 3本分 に近い重さです!(3本のペットボトルを抱きかかえている自分を想像してみてください)
ボディの外装やエンジンブロックの素材はダイキャスト合金が中心。その他インテリアなどはABS樹脂が用いられています。
大きなモデルになるほど部品も大きくなり、簡単な組み立てなのだろうと考えていました。
逆でした。サイズの大きなモデルになるほど細かな再現ができるようになり、組立の複雑さが増すのでした!!
非常に楽しく、そして苦労した末に完成したスカイライン 2000GT-R は非常に満足いくものでした!
それでは、商品の到着から組み立てを体験した感想を紹介していきます!!
▼ 今回紹介している所品はこちら!
体験の概略
今回組み立てた「スカライン2000GT-R【全100号】キット」の販売価格は 169,800円(税込)。
金額としては決して安くはありません。
その対価にみあった体験や成果物が得られるかどうかは本人の価値観や判断基準によるため一概には言えませんが、私個人としては 届いたときのワクワク感、組立の体験の楽しい時間、完成後のモデルの存在感 から判断すると十分価値があったと感じました。
いわゆる「ガンプラ」なら何度か作ったことはありましたが(大昔)、ダイキャストがメインとなるモデルを組み立てるというのは非常に楽しい時間でした。
組み立てにかかった時間・期間
道具を探すなどの時間も若干含みますがデアゴスティーニ「スカライン2000GT-R【全100号】キット」の総組立(製作)時間は約32時間でした!(前後の準備などは除きます)
「早く完成させたい!」という気持ちが先に立ってしまい、かなり駆け足だったのかもしれません。
(製作時間の目安としては 40時間~50時間 と考えるとよさそうです)
あまり焦らず、自分のペースで仕上げていくのが理想だと思います。
何かちょっとしたトラブルがあるとかなり時間が伸びます。
数号に1つ程度は「こんなん無理やって…」と穴に部品が入らず苦労するケースがあったりもします。
自身の手順の問題や理解不足、力のかけ方などが問題かなと推測され、サポート動画を見たりすることで解決できることが多い印象です。
週刊などで発売されている時にはパーツの不具合の改善のために後日パーツが再配布されたりしますが、そのようなパーツ不具合などについては、全号キットであればシリーズとして対策されていると考えられ安心感がありますね!
期間の目安
組立時間については先ほどの通り 約32時間でした。
単純な工数で考えれば 1日8時間作業できるなら 4日間で完成する計算です。
1日4時間だとすると 8日間
1日1時間だと32日間の計算になります。
私の場合、1日1時間程度の作業がちょうどよいペースだと感じました。
(1日に1~4号分程度でしょうか)
これにトラブルによる中断や、工具・接着剤の買い出しの日も必要になりました。
(急いでいたため近隣の模型等取扱のお店で購入しましたが、基本的には定価で価格が高め。通販が安いです)
場合によってはデアゴスティーニのカスタマーサポートとのやりとりなどで日数がかかる場合もあるかもしれません。
ペース配分によりますが、説明書に従ってそのまま製作する場合、 期間として1~3ヶ月は楽しめるホビーだと考えてよさそうです。
モデル制作初心者から見た難易度
私の場合、モデル製作の経験がほぼなかったため、すべての作業が初めての体験でその分「難しいなぁ」と感じる部分が多々ありました。
実はデアゴスティーニのモデルはもっともっと簡単な、どちらかというとネジ締めしていけば完成するモデルキットだと思っていました。
ところがそうではない部分もたくさんありました。
いくつか例をあげて紹介します。
(慣れている方にとっては当たり前の作業なのかもしれません)
「こんなことするの?」と驚くような作業も
「え!?これをこうするの!?」というような、これまでの自分の価値観ではありえないような作業も多くありました。
例➀ デカールを自分でカットする
例えば、デカール(シール・ステッカー)。
▼このようにシートで提供され、カッターを使い手作業でカットします。
そう、カットされていないのです!!「マジかよ~」と思いました。
例② 細かいパーツが存在する
もう一つ例をあげるなら、想像以上に小さな部品を取り付ける作業もありました。
▼ こちらは第3号で作業したエンジンカバーのロッカーカバーナット。
米粒よりも小さなパーツ(ロッカーカバーナット)をランナーからカットして取り付けるのです!
実際に作業するまではビッグスケールな分、パーツも大きく作業は楽なのかな?と思っていました。
この考えは間違いで、スケールが大きい分、解像度が高くなり実車の細部が再現されるため、細かなパーツも数多く存在するのです!
苦労した内容
デアゴスティーニ「スカライン2000GT-R【全100号】キット」の組み立てで個人的に てこずった 内容は以下の通りです。
➀ モール部品(メッキパーツ)とダイキャストパーツとの接着
例えばボンネットやトランクリッド、ドアパネルではホワイトに塗装されたダイキャストの部品の端にメッキされたモール部品を取り付けます。
わかりやすい位置決めピンはなく(一応突起にあてて接着するようにはなっています)また接着剤の塗布量も少なくうまく接着できずにかなりてこずりました。
付けにくいこともあり、作業の中で指に接着剤がついてしまうこともしばしば。
一度、重量のあるドアパネルが指について離れなくなった時にはかなり焦りました。(家に除光液があったためなんとか外すことができました)
こんな不安定な付け方あるの?とは思いましたが、モデル製作においては当たり前なのかもしれませんね。
② 突起のある小さなパーツをネジ締め。いや指痛いって!
あまり手を酷使していなかったせいでしょうか、小さなパーツを組み合わせてネジ締めする際には手が痛くて痛くて(泣)…
布をかぶせて作業することで痛みは軽減できましたが、モノが小さいだけに苦労する部分ではありました。
ネジ締め中にドライバーがネジ穴から外れてしまい、パーツのピンを折ってしまったことも…
折れたのは接着時の位置決め用のピンだったため、パーツ同士の接着の際に位置を注意して接着することでなんとかなりました。
➂ トランクルーム内でのLED固定作業。いや狭くて作業できないって!
終盤の 93号 で絶望的になり泣きそうになったのはリアLEDセットの設置作業。
リアのコンビネーションランプの裏側(トランク内)にある穴に合計8個のLEDをはめ込む作業です。
すでにトランクリッドが取りついた状態でもあり、狭いトランク内で作業します。
「いやピンセットを使って作業すればいいじゃん」なのですが、LEDの向きが良くなく(穴と反対側を向いてしまっていた)ピンセットでは方向転換しながらのほぼ見えない穴位置への挿入が難しく指を使っての作業になりました。(この辺りはピンセットでの作業スキルの習熟度が効くのかもしれません。トランクリッドがホント邪魔なのです…)
「もうダメだ組み立てをやめてしまおう…」とまで思ったほど…
この93号の作業時間は約1時間45分でした。
通常のピンセットや指での作業にトライしてダメだったため、その日は作業断念。翌日、先の曲がったピンセット(ツル首ピンセット)を買ってきて作業して、あまりうまく行かず最終的に指で何度もトライしてなんとかなりました。(一か所LEDが入らないと思ったら穴の内側にバリがあり軽く削ったりもしました)
組み立ての際のポイント
サポート動画を必ずチェックしよう
組み立ての際に「こうした方が良いな」と思ったのは、冊子の組み立てガイドを見るだけではなくサポート動画も必ず見た方がよい という事です。
紙面だけではわかり難い部分が動画でなら簡単に理解できることもあります。
特に接着剤を付ける場所などは動画の方がわかりやすいです。
また、組み立てガイドとサポート動画とでは若干やり方が違う場合もあり、サポート動画の方が作り方として改善させていると感じたこともあります。(組み立てにおいてやり方はある程度自由度があるということでもありますね)
机の上が狭かったこともあり、組み立てガイドの置き場に困りました。ガイドのPDF版も提供してもらえると大変助かるのですが…(逆にアシェットさんのセットではPDF版のみ提供だったりする模様)
先の号で使うパーツの保管方法
ある号で付属したパーツを、その号では使わずに今後の号で使うため保管しておく場合が結構あります。
このパーツの保管においては、何号のパーツかがすぐにわかるように個別に保管しておいた方が見つけやすいです。
私は、各号のパーツの入っていた袋(号数がシールで貼ってある)をとっておき、そのパーツにいれておくことにしました。こうすることで、説明書(組み立てガイド)の 「第60号で保管していた60Bを用意」という記載にすぐに対応できます。
唯一無二の体験。楽しさと満足感がある
てこずった内容や苦労した部分について先に紹介しました。
確かに苦労する部分はあるものの、常に楽しい気持ちで作業することができました!
これが組み立て工程も完成され過ぎて誰でもチョイチョイ簡単作業で組みあがるキットだと、この楽しさは半減してしまうかもしれません。難しさの難易度が絶妙!という印象です。
机の上で徐々に車が完成していくのは非常にテンションがあがりました!
机上がまさにガレージになったような感覚でした!
私の場合は、はやく完成させたくて少し駆け足で作業していきましたが、もう少し大人になって ゆっくり丁寧に作業した方がよかったかもしれません。
一連の作業を通じて感じていたのは、組み立てが進むにつれてパーツから立体的なモノが出来上がっていく楽しみでした。
- 重量感があり、かつ精密さが印象的なエンジンブロックが組みあがっていく際の感動
- 机上にこれまで体験したことのないサイズ感のモノが組みあがって形になっていく感動
この楽しい組み立て作業の体験 と 完成したモデルを飾ること も含めた対価だと考えると十二分の価値のあるキットだな~と思いました!
これはスキルにもよりますが、自分で組み立てるため、若干の傷などもついてしまう場合があります。
私が製作したケンメリGT-Rにもパーツの割れやウィンドウの透明パーツの傷、接着剤の付いた指で触ってしまって付いた指紋や汚れがあります。
組み立てはじめの頃にはパーフェクトを目指して無傷で完璧を目指すのですが、組み立てが進むにつれ「まぁ、これでいいか」とちょっとした失敗が気にならなくなってきます。すべてが自分のモノなので許容できるようになりました。
お金と飾る場所さえ潤沢にあれば、かなりクセになるホビーだと思いました。
組み立てに自信がない場合には、号数の少ない(パーツの少ない)キットを選択すると良いかもしれません。
▼ こちらの「トヨタ2000GT【全65号】キット」であれば全65号で、比較的作業が軽いはず!(スケールは1/10)価格も安いため入門にはベストだと考えます!(2000GTはやはりカッコいいですしね!)
デアゴスティーニの全号キットはホビーとしての満足度も高いためオススメです!